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2008年5月27日火曜日

昨日の五円・・いや、ご縁の話のつづき。

映画「Tchindon ちんどん」ブーヴィエさん演じるリヴィエール氏には
日本の文化についていろいろと語っていただくのですが、
その中に「ご縁」についてのセリフもあります。
少しご紹介します。

『先ほどのことわざに出てきた縁という言葉。これも大切な日本の思想である。
縁とは、関わりあう全ての物事の間には必ずつながりというものがあるということ。
たとえば、私が文字によってある表現をしようとしたとしよう。
そのためにこのペンを選び、この紙を選ぶ。
するとこのペンと紙には私というものを媒介してあるつながりが生まれる。
この関係性によって生まれる副産物が文章であるとするならばそれはひとつの事件といえる。
これが縁というものの正体である。
ここで一番大切なことは、縁とは自然にうまれるということ。
何かのために意識的に結んだり強めたり弱めるとそこには必ず不自然というものが生まれる。
それは正確には、縁とはいわないのである。
関係とは変化していく。
たとえば、このペンを持ち替えてみたとしよう。
そうするとここで微妙に私とペンと紙の関係は変化した。
するとおそらくここに書き記すであろう私の思考も変化しないわけがない。
こういう風に縁とは、説明のつかない、
いうなれば私達の理論を越えたところで生まれたり生まれなかったりしているわけだ。
無意識の中、瞬間瞬間に存在する事実。
それが縁である。
もっと正確にいうならばこのペンと紙にも意味はない。
今、私の、小説を書かなければならないというこの状況に必要であったもの、
それがたまたまこのペンと紙であったということだ。』


映画「Tchindon ちんどん」乞うご期待!!

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