テレビで、今年亡くなられた阿久悠さんの特集を見ました。
子供の頃の懐かしい曲がいっぱい。
作詞家を通しての番組だからか、
改めて歌詞を意識して聞いてみて気づいたことがありました。
ピンクレディーがうたう「あなた」と八代亜紀のうたう「あなた」は明らかに違う。
それを当時子供の私はちゃんと聞き分けてたんです。
すごいですね。これって書き手としてすごい才能だと思います。
聞き手の経験に関係なくちゃんと伝えるなんてね。
こんなこと考えたのも、ちょうどこの数日の仕事が
映画でブーヴィエさんが喋るセリフの日仏対訳整理だったからでしょうか。
シーンによって細かく区切られるセリフを間違えないように、
日本語とフランス語を合わせてコンテに入れ込んでいく仕事です。
といってもフランス語は遠いむかし、大学の頃第二外国語として学んだだけで、
微かな記憶と雰囲気で言葉合わせをしたわけです。
それは神経を使う大変な作業ではあったのですが、
始めてみると、はまってしまいました。
とても楽しかったんです。
「そうか~この言葉、フランス語だとこんな感じなのかぁ~」って新鮮な発見。
感覚だけで言葉に向かうと、書き手の意図を超えて独自の世界が生まれます。
自分が表現したものが違うものになっていくって人によっては嫌かな?
感性が日本語という言葉になり、
それがフランス語に変容して、
そして更にブーヴィエさんが語ることでまた違う何かになっていく。
私はとても楽しみです。
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